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2024/11/21 ヘンシウ 仕分け: ▲ トラックバックユ・ア・レル
歌を、音やのうて、詞から探る。 谷崎潤一郎文章読本によれば、 一、詞は足りないものであって、そのすき間を助けるため音色や文字の身なりがはたらく。 あまり詞というものにこり固まらず、使えるはたらきは使うやわらかさがたいせつである。 二、わかりやすくあることと芸術を高めることはわけて考えなくてよい。 芸術はやり方としてはわかりやすいもの。わかりやすいとは覚えやすいこと。 三、漢語西洋語がのさばり、昔の黙ることのはたらきを忘れつつあるとのこと。 ~的といった修飾語を重ねるときりがないので、少ない言葉で絵をうながすことがかなっている。
2011/08/14 ヘンシウ 仕分け:創作<作曲> 感想:4 ▲ トラックバックユ・ア・レル
たまかぎる 夕の蜩 黄金の夏 懐かしや 濡れ髪に 吹くトンネルの 蜘蛛の巣の かかりて 口ずさめば 闇の洞の 慰に ―兄ちゃん 迎えの時まで 安寿の 涙は ― 黄金色 開けしところ 篠笛に 鼓のさざめき 十二単の 行灯に 畳の露は きらきらと 星降る店より 甘き蜜 らむね わたがし たまごやき 紫を 透かして見える ほどけし結いは 地獄絵図 影法師 ガマの口にて ―めんめんめくらの お嬢ちゃん 星の祝いに ひとりとは 七つの姫の やぶの宮へと ― 赤き灯りに 天邪鬼 天邪鬼 まよいさまよい お面屋の 袖の限りの 雀の銭で 買いたる面は のっぺらぼう のっぺらぼう 鮮衣の花 一面に 緑にピンク 紫の紅べったりと さけんばかりに さけんばかりに 大空を 飲まんほどに 夢の迷宮 抜けし刻には かささぎの夜も 更けつつあらん 急ぎ安寿が 浮かべし面は 天を睨み 墨の流れに 消えゆかん 星に照る 兄様の顔 番の別れを 恨み呪わん 天の鏡に
2011/08/06 ヘンシウ 仕分け:創作<作曲> 感想:23 ト ラ ッ ク バ ッ ク: ▲ トラックバックユ・ア・レル
音色の不思議。 義太夫や新内を楽譜に起こしてみて初めて気づくんですが、音色によって音程というのは実に聞こえ方のちがいます。特に義太夫は太夫の声が太くしゃがれとって、野武士のよな印象の強いのに、実際には一般人やととても出せんよな高音でうたっとったりします。 笙にも同じような現象を見つけることのできます。合竹のあの不協和音が心地よく響くんは、調律の工夫や音の大きさを管ごとに変えとるというのもあるでしょうが、やはり笙特有の音色にあるんやないか。あれが例えばバグパイプのようなじぐざぐした波形の音色やったら、うるそうてたまらん思います。 音色へのこだわりはどこの国の民族音楽でも根強いです。西洋近代だけが、特殊なんです。 近代西洋音楽では楽譜の発明により、旋律と拍子厳密に記録することに成功しましたが、一方で楽器に対する音色の執着を忘れてもうた部分がある。 ロックのエレキギターやシンセサイザーを多用した現代の音楽は、音色への執着への先祖がえりといったとこやないやろか。 楽器が音のゆがみを求める一方で、向こうではロッカーですら、声については未だに透き通った声がええというような、クラシックの伝統がいきついどる気もします。 ハスキーボイスはどこの国でももてはやされますが、あちらのいうハスキーは音程の印象を変えさせるほどのものではなく、あくまで歌いだしにさっと変化を与えるための隠し味といった感じで、実際にうたっとるのを聴くと、喉をひらききったあちらの伝統の歌い方であることに変わりはありません。 日本もやはりかぶれにかぶれて向こうの歌い方をまねとるようです(昔はここまでとちゃいました。演歌のような辛気臭い歌い方がはやる一方で、実は森進一のような、新内にしか聞こえない歌い方をする人がおった。今でも近所の銭湯なんかで、爺さんが新内的な空気の漏れる歌い方をしとるのを見ることがありますが・・・)。 僕はもっと音色っちゅうもんを、ただの味付けやなくて、音楽に対して直接的に作用するような面白い方向にもっていけへんかなと思います。 楽譜やピアノロールで作曲しとると、ついつい抽象的な領域でばかり考えがちで、理論を元に作ったり、楽器の音色は後でえらべばいい、というような安易さに陥りがちです。 しかし音楽とはほんまは、まず具体的な楽器、人、ものがあって、それから抽象的な作為・表現に至るもんです。 ピアノロールで音程決めに試行錯誤すんのとおなじように、音色にもこだわりながらつくってきたい。いや、むしろ音色と表現したいもんを相談することで世界が広がっていくような、そういう流れにこだわりたいですね。
2011/08/05 ヘンシウ 仕分け:創作<作曲> 感想:4 ト ラ ッ ク バ ッ ク: ▲ トラックバックユ・ア・レル